2024日本絶対流行るおすすめカラー/アイテム/ブランドをご紹介

2024年に日本で絶対流行るおすすめのカラー、アイテム、ブランドの紹介

瀬戸あゆみがアパレルブランドを2019年春夏から本格スタート

アソビシステムは、2019年春から青文字系雑誌モデルの瀬戸あゆみがディレクションとデザインを担当したアパレルブランド「エイミー・インザ・バッティーガール(Aymmy in the batty girls)」を始める。ファッションブランド事業は、同社としては初めて。

「もともと50年代のアメリカンダイナーや80年代の映画『E.T』や『ゴースト・バスターズ』が好きだった」と語る瀬戸あゆみは、同ブランドのコンセプトをアメリカンカルチャーからインスピレーションを得て設定、展開している。アメリカ・カリフォルニア出身、在住の17歳の架空の女の子”エイミー”を主人公に彼女のライフスタイルをコレクションに投影。2019年春夏コレクションテーマは「ガールズ イン ロックンロール ハイスクール」とし全80型を発表した。アメリカンハイスクールのチアガールをイメージしたウエアや小物も多数ラインアップする。「ニューエラ(NEW ERAR)」とのキャップやメディコム・トイのテキスタイルブランド「ファーブリック(FABRICKR)」とコラボレーションしたバッグなども取り揃える。価格はアウターが1万2600円?3万6750円、トップスが4200円?1万4990円、ボトムス・ワンピースが4725円?1万3650円、小物が1890円?1万1550円。 同ブランドはECサイトやポップアップショップで販売予定。


ストリート市場は日本人消費が最も高単価

ストリートファッションメディア「ハイプビースト(HYPEBEAST)」と、PwCコンサルティング(PwC CONSULTING)の戦略部門のストラテジー&(STRATEGY&)は共同で、ストリートウエア市場とその消費者を対象に調査を行い、5月23日にその結果をまとめたリポート「Streetwear Impact Report(ストリートウエアがファッションシーンに及ぼす影響)」を発表した。

同調査は英語、フランス語、韓国語、日本語などの言語で実施し、計4万960人が回答した。レポートは調査結果のほかに、業界のリーダーとして藤原ヒロシやアレクサンドル・アルノー(Alexandre Arnault)=リモワ(ROMOWA)最高経営責任者(CEO)、現代アーティストのダニエル・アーシャム(Daniel Arsham)、オンライン商品取引市場ストックX(StockX)のジョシュ・ルーバー(Josh Luber)共同創業者兼CEOらとのインタビューを掲載している。

回答が最も多かった世代はジェネレーションZで、16〜20歳が全体の33.9%、21〜25歳が全体の28.9%だった。回答者の国籍は韓国が最も多く、次に中国、アメリカ、日本が続き、「ハイプビースト」の読者層と読者が多い地域を反映した結果となっている。

レポートは全4章で構成されており、エンリケ・メネンデス(Enrique Menendez)とアクセル・ニシュケ(Axel Nitschke)博士が執筆。ストリートファッションを取り巻くカルチャーの定義から、ストリートウエア市場の消費者行動、ストリートウエアブランドが多く採用しているDtoCモデルの消費者とのコミュニケーションや構造などについて細かく調査している。

第2章の“Measuring Streetwear(ストリートウエアを計測する)”では、ストリートウエア市場の消費者の属性や消費傾向、地域ごとの分析を掲載している。1カ月あたりのストリートウエアにかける平均金額で韓国と中国がトップだった一方、日本はストリートウエアの商品1点あたりにかける平均金額が最も高かった。全体ではストリートウエアの商品1点あたりにかける平均金額は100〜300ドル(1万〜3万2000円)が最も多い価格帯だった。回答者が1カ月あたりのストリートウエアにかける金額はストリートウエア以外のファッションアイテムにかける金額よりも平均で5倍で、ストリートウエアの中で1番欲しいアイテムはスニーカー62%とトップで、続いてTシャツ、フーディー、アクセサリーが挙がった。

同調査はジェネレーションZがインクルーシビティー(多様性の受容)への関心が高いことを受けて、回答時に男性と女性のほか、どちらでもないノンバイナリー(nonbinary)という選択肢も用意した。ノンバイナリーを選択した回答者は男性または女性を選んだ回答者よりも平均消費額が著しく高かった。ニューヨークではジェンダーニュートラルを掲げたセレクトショップ、フルイド・プロジェクト(THE PHLUID PROJECT)や「ワン ディーエヌエー(ONEDNA)」といったブランドが頭角を現し、カニエ・ウェスト(Kanye West)の「イージー(YEEZY)」の存在や「オフ-ホワイト c/o ヴァージル アブロー(OFF-WHITE c/o VIRGIL ABLOH)」が1月にローンチしたユニセックスライン“For All”もこの流れを汲んでいるといえるだろう。

レポート内ではストリートカルチャーのアイコンとして藤原ヒロシがインタビューに参加しているが、回答者が最も「ストリートウエア市場で信頼できる存在」として選んだのはミュージシャンで65%、次いで業界人が52%、現代アーティストが45%、SNSインフルエンサーは32%だった。

シーズンにとらわれず好きな時に商品を発売する“ドロップ”は、ストリートウエア市場ならではの発売方法だ。“ドロップ”の代表格といえば「シュプリーム(SUPREME)」だが、もともとは「ア ベイシング エイプ(R)(A BATHING APE(R))」「ネイバーフッド(NEIGHBORHOOD)」「グッドイナフ(GOODENOUGH)」といった日本ブランドが1990年代から採用していた発売方法でもある。“ドロップ”は高い需要と熱狂を生み出すのに貢献しているだけでなく、ストリートウエア市場の消費者が実店舗で買い物を続ける理由にもなっているようだ。回答者の53%が、ブランドの実店舗がストリートウエアの1番の購入先であると回答している。また、“ドロップ”アイテムを手に入れるにはほぼ避けられない“並び”については、回答者の半数以上が商品購入のために並ぶ意欲があると答えた。

とはいえ、“ドロップ”を逃してしまっても「ストックX(StockX)」や「グレイルド(Grailed)」といったリセール市場がある。自身が持っているアイテムのうち、リセールで買ったものは4分の1以下と答えたのは全体の70%。言い換えるなら、自身の持っているアイテムのうち4分の1以上をリセール市場で購入したものという回答者が30%いたということだ。

リポートは「ストリートウエア市場が盛り上がっている1番の原動力はその精神」と結論づけている。70%の回答者が、ストリートウエアが好きな理由は「クールだから」と回答した。「ソール コレクター(Sole Collector)」や「ベイプトーク(BapeTalk)」といったオンラインフォーラムやSNSがストリートウエアコミュニティーの絆を強め、ストリートウエアが「クールだ」という定義づけに多く貢献してきた。「どこでストリートウエアのスタイリングまたはアイテムのインスピレーションを得るか」という質問には、88%の回答者がSNSを選択し、また96%の回答者がストリートウエアの情報を集めるのにインスタグラムを使うと回答している。しかし、SNS上でのプレゼンスがストリートウエアと関係が深いと考える回答者は31%で、それよりも社会問題(70%)やブランドの行動(59%)が重要だと考えているという結果となった。


「シャネル」が春画展を開催 春画とブランドをつなぐストーリーとは?

シャネルは東京・銀座のシャネル・ネクサス・ホール(CHANEL NEXUS HALL)で、展覧会「ピエール セルネ&春画」を行っている。4月7日まで。喜多川歌麿や葛飾北斎ら、名だたる浮世絵作家による春画とフランスの現代作家ピエール・セルネ(Pierre Sernet)の作品を組み合わせた、時空を超えたコラボ展だ。

さて、“春画”という言葉から何を連想するだろう?春画は江戸時代には“笑い絵”とも称され、性描写と笑いが同居したユーモアあふれる芸術性の高い浮世絵として認知されていたという。だが、時代と共にイメージが変化し、時として色眼鏡で見られがちな母国日本に対し、海外での注目は年々高まりを見せている。その最たる要因は、2013年10月より約3カ月にわたって大英博物館で行われた展覧会「Shunga : Sex and Pleasure in Japanese Art (春画:日本美術における性のたのしみ)」展が成功を収めたこと。同展はおよそ9万人という来場者を迎えた。

こうした経緯をよく知る人物の一人が、今回のシャネル・ネクサス・ホールでの展覧会に春画のコレクションを出品している浦上満氏。浦上氏は、東洋古美術の専門美術商「浦上蒼穹堂」創立者であり、前述の大英博物館の春画展にも出品者ならびにスポンサーの一人として協力した人物だ。氏いわく、「(性的描写の部分で日本では色物として扱われることもあるが)良い春画はきれいなんです」。ちなみに、浦上氏は父親が浮世絵ならびに東洋陶磁のコレクターで、山口県立萩美術館の浦上記念館は、その名の通り浦上氏の父親が浮世絵と東洋陶磁を寄贈したものだ。そんな家庭環境も伴い、浦上氏が学生時代に魅了され収集した「北斎漫画」(葛飾北斎のスケッチ画集)は1500冊ほどに上るという。

大英博物館での展覧会後、海外からは浦上氏に続々と春画コレクションの出品依頼が届いた。そんな中、浦上氏は日本での春画展の開催を夢見て、その実行委員会の中心人物として奔走。そして遂に15年9月、東京・目白台の永青文庫にて念願の「春画展」を実現した。この展覧会の図録作成にあたり寄稿を願った人物こそが、日本文化に造詣の深いリシャール・コラス氏(Richard Collasse、シャネル(株)の前社長で、現在は同取締役会長兼本国のトラベル・リテール事業の責任者)。その時の出会いがおよそ4年の歳月を経て、シャネル・ネクサス・ホールでの本展開催につながった。

「ピエール セルネ&春画」展はコラス氏の発案により実現。春画と絶妙な“対”をなすのは、パフォーマンスアーティスト・写真家として活躍するピエール・セルネの写真作品「Synonyms(類似表現)」だ。彼のミニマル・アートとも称したい、極シンプルなラインが描写するセクシーな作品は、鑑賞者のイマジネーションの世界を豊かに花開かせてくれる。「文化的、民族的に異なる背景を持つ個人とカップル、両方の肉体を撮影した。直接的ではなく、彼らの影が残す束の間のカタチだけを記録することを選んだ」と、セルネ氏はコメントしている。モノクロのシルエットが浮かび上がる作品と、その被写体の名前のみが記されたタイトル。そこには、性別、国籍を超えて派生する多様性と共通性、そして異なる文化の受容、という作家の深遠なる思いが込められていると聞き、心ときめく。

本展では、シャネルならではのエスプリの効いた会場構成も楽しみの一つにもなっている。あたかも江戸時代と現代を自在に行き交う“アートな春”の小路散歩のような設えがお待ちかねだ。なお本展は前期と後期で作品の入れ替えが行われる。また4月13日から5月12日まで開催されるKYOTOGRAPHIE 京都国際写真祭のプログラムとして巡回予定だ。


「モンクレール ジーニアス」 × クレイグ・グリーン 19年春夏はテントや凧に着想したコレクション

モンクレール Tシャツ コピーは、世界的クリエーターがデザインを手掛ける「モンクレール ジーニアス(MONCLER GENIUS)」から、英メンズファッションデザイナーのクレイグ・グリーン(Craig Green)による“5 モンクレール クレイグ・グリーン”の19年春夏コレクションを10日に世界同時発売した。日本では一部の直営店舗およびドーバー ストリート マーケット ギンザ(DOVER STREET MARKET GINZA)など一部のセレクトショップで取り扱う。

テントや凧からインスピレーションを得たというコレクションは、ボリューミーなシルエットやライン使いが目を引く。 ロープのストリングが特徴的なフーデッドケープ(36万9360円)は、タフな素材使いでダイナミックなシルエットを際立たせた。 他にもジャケットやブルゾン、フィッシュテールパーカ、ワークシャツ、トラウザーなどをそろえ、いずれもグリーンやイエロー、オレンジ、コバルトブルーなどビビッドなカラーリングが目を引く。随所にあしらわれたプリントやインターシャは、スポーツカイトにオマージュを捧げたディテールだ。

ロンドン生まれのクレイグはセント・マーチン美術大学を卒業後2012年に自身の名を冠したブランドを発足。14年の「ブリティッシュ ファッション アワード」の新人デザイナー賞や16年の「BFC/GQ デザイナー メンズウェア ファンド(BFC/GQ Designer Menswear Fund)」を受賞した。


オリラジ中田の「幸福洗脳」 ただならぬブランド名の先に見据えるものとは?

今やファッションブランドを手掛けるタレントやインフルエンサーなども多い時代。お笑いコンビ、オリエンタルラジオの中田敦彦もその1人だ。「『シュプリーム(SUPREME)』を超えるアパレルブランドを作る」という思いから中田により命名されたブランド名は「幸福洗脳」。「シュプリーム」のどこをどう意識すればこの名前になるのか、一見すると謎が多い同ブランドは現在、ECと乃木坂の店舗を中心にアイテムを販売。1万円のTシャツをメインに、ライダースやシルバーアクセサリーなどの商品を拡充している。中田は一体なぜ、アパレルブランドをスタートしたのか?なぜ、「幸福洗脳」という恐ろしいブランド名になったのか?商品が売れていないなどの噂をものともせず、「ピンチこそがチャンスだ!」と豪語する中田の真の狙いに迫る。

1982年生まれ。音楽ユニットRADIO FISHやオンラインサロンの運営など幅広く活動。2018年秋に「幸福洗脳」をスタートし、同年店舗を東京・乃木坂にオープン。アパレル業界の法則を無視した販売方法から心配するものも多いとか……
アパレルブランドを設立した経緯は?

中田敦彦(以下、中田):僕が所属している音楽ユニットRADIO FISHのライブグッズを売ろうとしたことがきっかけでした。グッズのTシャツを1万円で売ろうとすると「それでは売れない」「高い」と言われる一方で、アパレルのTシャツは1万円で普通に販売されている。コットンのボディーにプリントがされているのは同じなのに、何が違うんだ?と思い、真相を解明するためにアパレルを始めました。

「シュプリーム(SUPREME)」を意識しているとのことだが、それはなぜ?

中田:ブランドを手掛けるに当たり必要なのが、ブランド名とイチオシの商品。そう考えた時に頭に浮かんだのが「シュプリーム」でした。赤いボックスロゴの白Tはなぜ、人気が出たのか。上着を着ても見える位置にワンポイントのロゴが入っているデザインがいいのではないかと考えました。ただの白Tだと、下着感が強い。胸にワンポイントデザインを入れても、ジャケットを着たら隠れてしまう。だから、「幸福洗脳」のロゴを「シュプリーム」のロゴと同じ配置でデザインしました。

どういった理由で「幸福洗脳」というブランド名にした?

中田:まず前提として、一般的なTシャツのロゴで大切なのは、 “意味の分からなさ”。お笑いでも「気を付けて~って言っているやつのTシャツに“DANGEROUS”って書いてあった」なんてネタがあるように、意味が分かるといじられてしまうんですよ。「シュプリーム」も、その言葉が“最高”を意味していることを知らない人も多い。いじられないで、デザインとして文字がさりげなくTシャツに入っているのが正攻法。ただ、僕は今まで現行のルールの真逆を狙い、最短距離で突き抜けてきた。「武勇伝」も、漫才が主流だった中でリズムネタを前面に押し出してM-1の準決勝まで進み、「Perfect Human」も、周りの芸人が漫才やコントしかしない中で、歌ってみようと思いヒットした。Tシャツに関しても同じで、“日常に溶け込む意味の分からない英語”がロゴとして主流なら、僕は“日常に支障をきたす意味の分かる漢字”でいこうと思ったんです。

……なるほど。当初は商品が売れていなかったという噂もあるが?

中田:スタート時はちょっと柔らかめのデザインのモノも含め、4種類のアイテムを販売したんですが、一番打ち出したい「幸福洗脳」のボックスロゴTだけは全く売れなくて。SNSでも告知をしたし、ファンが買ってくれると思ってたんですが。ただ、よくよく考えればブランドをスタートしたのは秋なのに、Tシャツをメイン商材にしたのがそもそもの間違いだったのかも。周りにも「もう寒くなるよ」って言われて、馬鹿な⁉半そでを着ないだと⁉と思ったのを覚えています。

売るための対応策などは?

中田:売れなくて気づいたのが、僕らのファンは女性がほとんどなことと、女性と男性のファッションに対するスタンスの違いです。女性はTPOで服を使い分けていて、デートだけでも銀座や箱根、代官山など場所でコーデが分かれる。一方で男はシンプルで、自分の好きなもの、“イズム”を着ているんですよ。例えばYAZAWAのファンは、コーデに合わせやすいからではなく、YAZAWAが好きだからグッズを買う。長渕剛のファンも、彼が好きだから長渕のような格好をしている。だから「幸福洗脳」でも“イズム”を売ろうと。

……。売れなくてラジオでキレたというのは本当?

中田:キレたというより、強く呼びかけたんです。あらゆる物語は欠落から始まる。どんな主人公も満たされている状態では始まらない。オシャレでもないのに、声高に、そして得意げにブランドを始めると宣言し、ファンが買うだろうと甘えた見込みを持っていたのに、1着も売れていない。俺はこんなに赤っ恥をかいている。しかし、俺は宣言する。このわけの分からない、高い、1枚も売れていないかつ売れそうにないTシャツを売っている「幸福洗脳」こそがいずれバズると。その現象をエンターテインメントと呼びたい。ラジオを聴いている人たちよ、もし面白いことをしたければ、この恐ろしいTシャツの購入者にならないか、と誘ったんですよ。結果、徐々に売れ始めましたね。

乃木坂の閑静な住宅街には店舗もオープンしている。その理由は?

中田:ネットだけで売ってもライブ感が薄い。ファッションが好きな人にリアル店舗を出したいと相談もしましたんですが、店はリスクしかないと反対されたんですよね。だったら僕は逆に店舗を出そうと決心しました。リアル店舗はリスク、というのは普通に出店しているから。面白い店であれば、場所などは関係なく、人が集まるはずだと考えたんです。そこで乃木坂の気に入ったビルに出店しました。

乃木坂に出店したことは成功だった?

中田:出店した後に裏原宿に行ったのですが、人通りがとにかくすごくて、「こっちだったか~」と後悔しました。今でも乃木坂でよかったのかと毎日自問自答しています。

現在は革ジャンや枕など、アイテムの種類を拡充しているが、その意図は?

中田:僕もけっこう小心者で、売り上げが落ち込むとすぐにへこんでしまう。漢字じゃなくて英語のロゴにしてみたり、黒いTシャツ以外のカラーバリエーションに増やしたり。でも、そこで気づいたのが、「何でもアリにしてしまうと、何者でもなくいなってしまう」ということしでした。YAZAWAが「やざわ」や「矢沢」になったらアイデンティティーを失うのと一緒です。そのあたりからブランドはただのコメディーのつもりでしたが、違う存在になってきたなと感じました。革ジャンや枕以外にも、アクセサリーや靴なんかも売っているのですが、これらは職人さんたちを応援するためなんですよ。下請けとして大量のモノを爆安で作って苦しんでいる職人さんたちがいる。彼らと一緒に、彼らが作りたいモノを「幸福洗脳」というプラットフォームを通じて適正価格で販売する。それが彼らを幸福にするんじゃないかなと。

今後の目標は?

中田:もっと多くの人を巻き込んでビジネスを拡大させていきたいですね。アパレルだけでなく、あらゆるコンテンツに「幸福洗脳」印を付けて、適正価格で販売していくつもりです。いずれは「幸福洗脳」がライフスタイルに根付き、「無印良品」の隣に「幸福洗脳」の店舗があるかもしれません(笑)。みんなの力で行けるところまでいかせてください、と思っています。


藤原ヒロシ × ポケモンの全貌が日本初公開 「誰もが着られるデザインにした」

藤原ヒロシとポケモンの合同プロジェクト「サンダーボルト プロジェクト(THUNDERBOLT PROJECT)」は「アマゾン ファッション ウィーク東京(Amazon Fashion Week TOKYO以下、AFWT)」最終日の10月20日、渋谷ヒカリエのヒカリエホールAで国内初となる展示を行なった。商品の他、10月にニューヨークで開催されたフェス型イベント「ハイプフェスト(HYPEFEST)」での商品発表の映像を公開した。

お披露目された商品はTシャツやフーディー、ブルゾンの他、キャップやトートバック、コインケース、ピカチュウのぬいぐるみなどさまざま。藤原ヒロシが手がける「フラグメント デザイン(FRAGMENT DESIGN以下、フラグメント)」のロゴや「サンダーボルト プロジェクト」仕様のロゴの他、シルエットのみにしたり、オールブラックにしたりしたピカチュウを各アイテムに施している。展示に合わせ、来場した藤原ヒロシはプロジェクトについて「『フラグメント』のロゴは雷で、ポケモンも雷がアイコンとなっていて不思議と親和性があった。アイテムは若い子に人気のポケモンを、誰もが着られるように意識してデザインした。プロジェクトを通じて、ポケモンの人気が自分の想像以上だったということも分かった。これからも続けていく予定なので、楽しみにしていてほしい」と語った。

商品の展示に合わせ、年内に国内で予定しているポップアップストアの最新情報を発表した。第一弾として、藤原ヒロシの「ザ・コンビニ(THE CONVENI)」とタッグを組み「銀座ソニーパーク(GINZA SONY PARK)」に年内にオープンする。発売するアイテムは未定。


メンズショー来場者スナップ ブランド愛がさく裂した“黒の対決”

2019-20年秋冬シーズンのパリ・メンズ・ファッション・ウイークで、現地時間17日に「ヨウジヤマモト(YOHJI YAMAMOTO)」が、同18日に「コム デ ギャルソン・オム プリュス(COMME DES GARCONS HOMME PLUS以下、オム プリュス)」がランウエイショーを行った。日本を代表する両ブランドに共通しているのは、国内外に熱狂的なファンを抱えていること。流行に左右されることなく、一途にブランドを愛し続ける顧客が多く、ショー会場にはそんなファンが多数訪れる。

「ヨウジヤマモト」の来場者は、ボリュームのあるシルエットをそれぞれの体型に合わせてアレンジするスタイリング功者が目立った。個性の強いプリントアイテムを、自らのキャラを熟知して取り入れる着こなしはファンならでは。足元は「バレンシアガ(BALENCIAGA)」の“トリプル S(TRIPLE S)”や“トラック(TRACK)”など、ダッド系シューズと好相性のようだ。

「オム プリュス」の来場者は、ジャケットやチェスターコートのきれいな着こなしが印象的。ただ決してコンサバではなく、スタイリングやアクセサリーで破壊的要素を加えてパンクやクレイジーに仕上げていた。「ナイキ(NIKE)」とコラボレーションしたシューズを着用しているファンも複数見られた。また、「ヨウジヤマモト」の象徴的なコートをまとう来場者もいた。

両者共にキーカラーの黒いコーディネートが多数の“黒の対決”は、「ヨウジヤマモト」の着用者がわずかに上回っていた印象。しかし個性の強さは「オム プリュス」も全く引けをとっておらず、互いに譲らない結果となった。


エルメスが化粧品をスタート アクセル・デュマCEOがロレアルの取締役会を退任

アクセル・デュマ(AxelDumas)=エルメス・インターナショナル(HERMESINTERNATIONAL)最高経営責任者(CEO)がロレアル(L’OREAL)の取締役会を退任した。「エルメス」は化粧品のローンチを予定しており、利害の対立を防ぐためだという。

「エルメス」は化粧品の製造は外部に委託しつつも、プロデュースなどは全て自社内で行う。主にフランスとイタリアで生産する予定だ。先日行われた記者会見でデュマCEOは「とてもエキサイティングなプロジェクトだ。だが化粧品市場には多くの競合もいるため、リスクも大きいビジネスだ。そんな中、われわれは自分たちだけのポジションを確保しなければならない。また製品はまずは『エルメス』の店舗で扱い、その後様子を見てほかの販売チャネルも検討するなど、全て慎重に進める予定だ」と語っていた。

エルメス」はすでに大きなフレグランスビジネスを抱えており、昨年の売り上げは3億1170万ユーロ(約392億円)を記録した。一方でロレアルは「ランコム(LANCOME)」「ジョルジオアルマーニビューティ(GIORGIOARMANIBEAUTY)」「イヴ・サンローラン(YVESSAINTLAURENT)」「ロレアルパリ(L’OREALPARIS)」など数多くのカラーコスメブランドを展開している。2018年においてメイクアップがロレアルの中で2番に大きな事業になり、全体の売り上げの269億ユーロ(約3兆3894億円)のうち27.4%を占めた。なおロレアルの調査によると昨年の世界のビューティ市場のうちメイクアップは2000億ユーロ(約25兆円)以上を売り上げ、ロレアルのメイクアップの売り上げはその約19%を占めたという。


AOKIが女性管理職の服を改革 3Dスキャナー計測で新商品

AOKIは40〜50代のミドルエイジ女性に向けたビジネスウエアの新ライン“AOKIウーマンスタイル”を11月1日に全店とオンラインストアでスタートした。女性の年齢に伴う悩みとして上がっていた体形の変化や着用感の不満を解決すべく企画されたもの。ニットジャケットやカットソー類、セットアップスーツなどをそろえる。価格はニットジャケットが1万5000円、カットソーが6900円、スーツのジャケットが2万3000円、ボトムス、スカートが1万2000円。今後も商品を拡充し、3年後には売上高50億円を目指す。

新ラインは、帝人フロンティアと3Dスキャナーによる人体計測サービスなどを行うビーエム・ディーシステムと協業して製作。ビーエム・ディーシステムが年代別に3D計測したサイズのビッグデータを活用し、40~50代のためのAOKI独自の7~15号までの型紙を開発した。

発売日に合わせて開催された製品発表会で、AOKIの中川勲・商品部レディース責任者は「女性活躍推進法が実施されて以降、働く女性は増加している。AOKIでも女性のお客さまが10年ほど前に比べて10倍以上になり、売り上げの20%を占めている。それに伴い、現状のビジネスウエアに対するリアルな声がミドルエイジ層の方を中心に上がってきており、新たな商品開発に踏み切った」と経緯を説明する。

製品説明後行われたトークセッションには、“AOKIウーマンスタイル”の開発に社外取締役として参加した尾原蓉子ウィメンズ・エンパワメント・イン・ファッション会長と同ラインのアンバサダーである女優で作家の中江有里が登壇した。同ラインのスーツを着て登場した中江は「最初に着たときに全く無理がない商品だと感じた。今までは自分が着たいと思っても商品がなかったり、着てもしっくりこなかったりと、オシャレに消極的になってしまうシーンが多かった」と感想を述べた。開発に関して、尾原会長は「女性がプライドを持って働くためには服が非常に重要な役割を担っている。ただ服を着るのではなく、美しく着ることができるようにこだわって作られた“AOKIウーマンスタイル”が、女性の社会進出にも寄与することを願いたい」と期待する。


複雑時計は”宇宙”が隠れテーマ

スイス・ジュネーブで20日・月曜日から始まった高級時計の展示会SIHH(国際高級時計展)は各国のジャーナリストの姿こそ少なかったが、例年とは違 い最終日である24日金曜日まで会場に人が溢れ、改めてリーマンショックを乗り越えた、世界の高級時計市場の好調ぶりが伺えた。

この状況に応えて、各社の超高額モデルも充実している。独自のメカニズムで機械の美を追求する複雑時計の世界では、今年は”宇宙”が隠れたメインテーマだ。
 
「ヴァン クリーフ&アーペル」は、メカニズムと宝飾の魅力を兼ね備えた”ポエティック コンプリケーション(詩的な複雑時計)”のシリーズで、太陽系の天体とその動きを高貴な材料と伝統の装飾儀容で、そのまま文字盤上に3Dで再現した「ポエ ティック アストロノミー」を発表した。太陽を中心に水星、金星、地球、火星、木星、土星まで文字盤上にはそれぞれ異なる貴石で作られた7つの惑星が配置され、それ ぞれの周期に合わせて回転する。ターコイズ製の地球は1年間で1回転。最も外側にあるスギライト製の土星は何と29年半で1回転。そして時刻は24時間で 文字盤を1周する、土星の外側の彗星の尾の部分で読み取れる。また地球の軌道上にはラッキースターがあり、文字盤最外周のカレンダーを使って自分だけの ラッキーデイを設定・表示する機能も備えている。”腕に着けられるプラネタリウム”といえる、夢のあるモデル。
 
「カルティエ」は月、曜日、日付の表示ディスクをローマの円形劇場のように同心円状に立体的に配置し、驚くほどカレンダー情報が読み取りやすい永久カレ ンダー&トゥールビヨン機構搭載モデル「ロトンド ドゥ カルティエ アストロカレンダー ウォッチ」を発表した。そもそも暦、カレンダーは宇宙の構造の解析と再現しようという試みから誕生したものであり、太陽系や銀河系の構造を彷彿させるこの 表示は永久カレンダー機能の本質を反映した画期的なものといえる。カルティエの卓越した技術力を証明する逸品。
 
ドイツの最高峰ブランド「A.ランゲ&ゾーネ」は、永久カレンダー機構に加えて、北半球から見た地球と月、そして太陽の関係を常時表示する”軌道ムーン フェイズ表示”と呼ばれるまったく新しいムーンフェイズ表示を備えた「リヒャルト・ランゲ・パーペチュアルカレンダー”テラ・ルーナ(地球と月)”」を発 表した。この表示機構はシースルーバックケースの裏側にセットされているので、表からの外観は非常にシンプル。この点も、ドイツのブランドらしい。


ファッション業界のサステナをリードするケリングが推進するEP&Lって何? 開発者に聞く

「グッチ(GUCCI)」「サンローラン(SAINT LAURENT)」「バレンシアガ(BALENCIAGA)」などを擁するケリング(KERING)はサステイナビリティーの追求に積極的だ。同社は2018年の世界経済フォーラム、通称ダボス会議で、サステイナビリティーの観点から世界各国の企業を評価する“Global 100 Most Sustainable Corporations in the World”で、アパレルではトップの47位にランクインした。現在欧米では、地球環境保護に貢献できなければ企業としても存続すべきではないという考えがあるほどで、企業はサステイナビリティーレポートを公開し、自社の活動をアピールする。

同社がリードしている理由は、トップのフランソワ・アンリ・ピノー(Francois-Henri Pinault)会長兼CEOの考え方にある。それは、「ラグジュアリーとサステイナビリティーは同一であり、サステイナビリティーは私たちにとって不可欠であるだけでなく、ビジネスを成功に導くものである。創造性と革新性の源であり、品質と信頼も保証するもの」というものだ。

ケリングの取り組みの中で画期的だったのは、バリューチェーン内で創出する環境負荷を数値化した環境損益計算書(EP&L:Environmental Profit and Loss)の開発だろう。開発に2年を要し、さらに2015年5月にオープンソース化している。

EP&Lは、廃棄物、大気汚染、水使用量、水質汚染、土地利用、炭素排出量の6つの項目と、578の工程、107の素材、126カ国(国によって社会的・環境的背景も異なることを加味)を対象として数値化している。

開発から携わったというマイケル・ボイトラー(Michael Beutler)=ケリング・サステイナビリティー・オペレーションズ・ディレクターは、「EP&Lは人々の考え方とマネジメント法を変えた」と胸を張る。

「EP&Lは限りがある空気や水、人間が暮らすために必要な資源の価値を測定し、当社の企業活動がそれらに与える負荷を理解し、協働することで資源の保全を推進することが狙いだ。私たちはEP&Lを2025年までに15年と比較して40% 削減する目標を立てている」。

17年の負荷の内訳は、原材料と素材の生産に66%、素材のなめしなどの加工に10%、パーツ製作と縫製に13%、ロジスティックスと店舗に10%だ。「当初は、実際に目に見えるもの、つまり最終段階の10%ばかりがフォーカスされていたが、実際には90%がサプライチェーンから生じている負荷である。(EP&Lの開発で)考え方を変えたという点がポイントだ。マネジメント法を変える重要な取り組みだった」と語気を強める。

「ファッションは農業から、ジュエリー&ウオッチは鉱業から始まる。だから、原材料の希少性について最も力を入れて取り組んでいる」と言う。そこには気候変動や生物多様性の変化が大きく影響している。

「生物多様性はいったん失われると元に戻すことができない。例えば、ここ10年間のカシミヤヤギの頭数の変化に注目したい。カシミヤのセーターやマフラーを作るには多くのヤギが必要だ。しかし、ヤギは草地を食べ尽くす。そうして食べ尽くされた大地の土壌は緩くなる。ゴビ砂漠の砂嵐はただでさえ強いが、それがさらに悪化する。悪化した砂嵐は北京まで到達し、それを嫌った北京市はヤギの頭数を制限し、結果としてカシミヤの価格が高騰した。将来にわたり原材料を供給していくためには、資源を守って上手に管理する必要がある」と指摘する。そのためにケリングは、ウール、シルク、カシミヤなどそれぞれの素材ごとに、最善のケーススタディを示し、サプライヤーにその方法をシェアしている。

ケリングがサステイナビリティーの分野で高く評価されているのは、あらゆる視点から分析して産業全体の仕組みや考え方から変えていく点だろう。


伊発欧州ストリートシーンの開拓者、スラムジャムが説く現在のストリートシーン

1989年にルカ・ベニーニ(Luca Benini)が創業したスラムジャム(SLAM JAM)は、ミラノなどイタリアのファッションシーンの中心地から離れた古都フェラーラを拠点としながらも、ヨーロッパ全体におけるストリートシーンを底上げし導いてきた。日本ではあまりなじみがないかもしれないが、彼らはディストリビューターとしていち早く「ステューシー(STUSSY)」や「カーハート WIP(CARHARTT WIP)」をイタリアで取り扱い、「ネイバーフッド(NEIGHBORHOOD)」や「ビズビム(VISVIM)」といった日本のブランドをヨーロッパに広めた立役者だ。リテーラーとしても実店舗をオープンし、「マーティン ローズ(MARTINE ROSE)」とスポーツメーカー「ナパピリ(NAPAPIJRI)」のコラボライン“ナパビリ マーティン ローズ”を仕掛け、「ザ・ノース・フェイス(THE NORTH FACE)」の“レッドレーベル(RED LABEL)”をディレクションするなど、創業当初から現在に至るまでストリートシーンをけん引する存在として君臨してきた。

創業から30年、スラムジャムがスラムジャムとして常にあり続けられた理由とはーー東京での初のポップアップストアに合わせて来日した主要メンバーのカルロ・ティネッリ(Carlo Tinelli)=マーケティング・ディレクターとルカ・フェラーリ(Luca Ferrari)=セールス・ディレクターの2人に、リテールを始めたきっかけや、熱狂を生んだ「ナイキ(NIKE)」とのコラボスニーカー、「リスペクトする」と話す日本のブランド、そして思い描く青写真まで話を聞いた。

30年前にディストリビューションからビジネスをスタートしましたが、リテーラーとして事業を拡大することになったきっかけは?

いろいろな店舗に卸すディストリビューションでの成功から、自然とリテールを手掛けるようになったんだ。ディストリビューションとリテールは全く違うビジネス形態だから、2つのチームを作って、焦らず失敗しないように慎重に進めた。僕らはクリエイターではなく、DJのようにブランドをセレクトをすることが仕事だったからね。その結果、最初の店舗を2006年にフェラーラにオープンするまで長い時間がかかったんだ。ただこれも実験的な店舗で、ミラノの旗艦店をオープンするまでさらに10年を要した。オリジナルブランドはないけど、ディストリビューションに関しては今もやっているし、実店舗もeコマースもある。ブランドのビジネスパートナーとしてはなんでもそろっている存在になったと思っているよ。

リテーラーとしての店舗展開はフェラーラとミラノだけですが、なぜ?

今は事業としてeコマースに最も力を注ぎたくて、「国外に店舗を開くこと=事業を成長させること」ではないと思っているから、フェラーラとミラノ以外での展開は考えていない。フェラーラはeコマースで扱っている商品を手に取ることができる場所としてオープンしたんだけど、今までの店舗の概念とは全く違う新しいコンセプトにしたくて、本社に隣接させたんだ。訪れた人たちはスラムジャムで扱っている商品と、オフィスで働く社員をガラス越しに見ることができる。商品を売る方法として面白いのはもちろん、スラムジャムが何をしている会社で、どういう人たちが働いているかをクリアにしたくてね。

それでは東京で初となるポップアップストアを決めた理由を教えてください。

eコマースに力を入れていると言ったけど、やっぱり実店舗の存在意義というのは大きいんだ。

ルカのいう通り、今の時代はeコマースがあるからこそ、実際に手に取って触って着てもらうことが重要になってきている。スラムジャムの店舗がない都市で暫定的な再現でもいいから、ビジネスとコミュニティーを構築するための方法としてショッピング体験を提供したかった。だからビジネスとコミュニティーの両面のバランスを考えて、ニューヨークとパリ、そして東京での開催を決めたんだ。この3都市はスラムジャムのDNAに沿っているし、特にアメリカと日本をはじめとした東アジアはeコマースで一番大きい市場で、SNSでのファンも多い。認知度を高める上でもポップアップストアはかなり有益だからね。

デザインコンセプトは?

スラムジャムらしい機能的でクリーンなイメージの買い物がしやすい空間さ。

ニューヨーク、パリ、東京のそれぞれの都市に合うように、スラムジャムのクリエイティブチームが特別に設計したんだ。

5日間の期間中、「アディダス(ADIDAS)」や「1017 アリックス 9SM(1017 ALYX 9SM)」「ヴァンズ(VANS)」などさまざまなブランドとのコラボアイテムを日替わりで発売していましたが、この狙いは?

全てを同時に見せてしまうと一つ一つのアイテムが注目されないし、会場を訪れるたびにいろいろな表情を見せられるから。何が発売されるかを楽しみに訪れてくれるだろう?

訪れてもらうための期待感を煽る狙いだね(笑)。

ポップアップ自体は創業30周年を記念したプロジェクトではないんですね?

そうだね。1月にフィレンツェで30周年記念イベントを開催したけど、今回のポップアップは特に30周年だからというわけではないんだ。次がどこになるかはお楽しみ。

今回の東京でのポップアップをはじめ、日本のブランドをいち早くヨーロッパでディストリビューションし、公式サイトでも「Japanism」のカテゴリーを設けるなど、日本に対する共感度が高いと感じます。

ルカ・ベニーニの個人的なセンスで選んでいることが大きいね。それに、取り扱っている日本のブランドがスラムジャムのDNAやビジョンとマッチした、リスペクトできるブランドだと思っているから。日本の消費者は世界でも一二を争うほど成熟していると感じていて、その感覚を取り入れたいというのもあるよ。

だからこそ日本のブランドとのコラボも多いんですね。

「ネイバーフッド」や「ワコマリア(WACKO MARIA)」とのコラボは、アイデアの方向性も同じだったし、なにより敬意を払っていたからね。

となるとやはり日本に実店舗をオープンしてほしいです(笑)。

オープンしたい気持ちはもちろん僕らにもあるさ!(笑)。

共通したDNAやビジョンのほかに、コラボする上で譲れないスラムジャムの精神はありますか?

プロダクトの先にある、ブランドのバックグラウンドやカルチャーは必要不可欠で、リアルでオーセンティックな顧客がいることにも重きを置いている。あとはスラムジャムを構成するエレメントに音楽やアート、アンダーグラウンドなカルチャーは欠かせないから、そのブランドが持つ世界観も重視しているよ。「アンダーカバー(UNDERCOVER)」がその好例だね。

創業25周年の際には25ブランドとコラボした「Twentyfive Projects」を発表していましたが、30ブランドとコラボする「Thirty Projects」の予定は?

さっきも話した1月のフィレンツェのイベントで、最も長い付き合いの「ナイキ」「ステューシー」「カーハート WIP」とコラボアイテムの発表とエキシビションができたし、今のところ「Thirty Projects」の予定はないよ。

「ナイキ」とのコラボスニーカーはクラシックな雰囲気の“ブレーザー”をベースとしていますが、ハイテクスニーカーやダッドスニーカーの勢いが強い中でなぜ?

「オーセンティックでありたい」という思いの方が強かったからさ。“ブレーザー”はスケートボードからバスケットボール、他のアクションスポーツやパンクをはじめとしたミュージックシーンまで、スラムジャムが大切にしているサブカルチャーをクロスオーバーした存在のスニーカーなんだ。このオーセンティックでオールドスクールな“ブレーザー”を現代的に解釈したくて、「ナイキ」とスラムジャムのクリエイティブチーム全員で作り上げたのが“ブレーザー クラス 1977(BLAZER CLASS 1977)”なんだ。

30年前の創業当初からは、ストリートを取り巻く環境が劇的に変化したかと思います。長きにわたりファションとストリートシーンのサブカルチャーの結びつきの重要性を説いてきた存在として、今のシーンをどう思いますか?

ルカ・ベニーニが最近話してたことなんだけど、2010年頃から環境が変わってきて、ストリートカルチャーがハイエンドなファッションにも取り入れられるようになり、街で着るストリートウエアが“ストリートウエア”というカテゴリーとして成立し始めた。彼はこのことについて、ビジネス的にもカルチャー的にも面白いと思う反面、最近のプロジェクトは短期的なものが多くて「オーセンティックであるためにいいことなのか」という疑問も同時に感じているんだ。

「ローマは一日にして成らず」って言葉があるように、オーセンティックであるためには自然な流れで徐々に成長したり、お互いがリスペクトする同士だけがコラボする方がいいと考えている。短期的なプロジェクトとか急激に変化をするブランド、つまり1~2シーズンでゼロから100まで発展しちゃうようなブランドは、オーセンティックにはなりにくいと思っている。

ハイブランドがストリートの要素を取り入れるようになったことで、何万円もするTシャツと数千円のTシャツが同じラックに並ぶようになったことについては?

とてもいいことだと思っている。スラムジャムは値段よりもプロダクト自体やその背景のストーリーなどを見ているから関係ないんだ。問題は値段じゃないよ。

変化の1つには女性のストリートシーンへの進出もありますが、影響は感じられますか?

主なeコマースの顧客層は世界中にいる18〜24歳の男性。でも君が言うようにユニセックス化の流れも大きくて、eコマースにはウィメンズカテゴリーがまだないにもかかわらず、12〜15%の顧客がメンズのアイテムを買っている女性なんだ。これからもウィメンズの比率は伸びていくだろうし、どう売り上げを増やすかを日々検討中さ。

環境が変化し続けてきた中でもスラムジャムがシーンをけん引してきた理由とは?

自分たちに正直になり、嘘をつかないこと。そしてストリート全体のサブカルチャーを大事にしつつ、クリアなビジョンを持ってビジネスをしてきたからだ。

今、スラムジャムは1つのメディアと同等か、それ以上の影響力を持っていると感じています。今後の青写真を教えてください。

いい質問だね、ありがとう(笑)。ディストリビューションから始まって30年、今ではリテールからブランドのコンサルティング、音楽やアートイベントまでも開催するようになり、僕らのファンはこれまで以上に親近感を抱いてくれるようになったと思う。ルカ・ベニーニが言っているように、これからもいろいろなブランドのパートナーとして、ファッションだけじゃない全てのサブカルチャーを網羅してサポートできるような会社にしていきたいんだ。


熊本のセレクトがたなかみさきとコラボ

熊本のセレクトショップ、アートワーク(ARTWORK)は1月30日から、イラストレーターのたなかみさきとコラボレーションした展覧会「プライベートジェットストリッパー」を開催する。場所は鶴屋百貨店東館で、“服を着ること、脱ぐことを嗜む女性”をテーマにした作品を展示、今回のために製作したTシャツやパーカ、バッグなども販売する。2月18日まで。2月2・3日にはたなかみさき本人も在廊予定だ。

アートワークは「アクネ ストゥディオズ(ACNE STUDIOS)」「コーシェ(KOCHE)」「ステラ マッカートニー(STELLA McCARTNEY)」「ハイク(HYKE)」などを扱っており、今なおセレクトショップの力が強い熊本で有力なショップの一つ。すぐ隣に位置する同系列のメンズのセレクトショップ、メンフィス(MEMPHIS)は「ビズビム(VISVIM)」「カラー(KOLOR)」「ソフネット(SOPHNET.)」「オーラリー(AURALEE)」などのメンズブランドを扱っている。

「プライベートジェットストリッパー」
場所:鶴屋百貨店東館1階
住所:熊本市中央区手取本町6-1


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そごう・西武は28日、西武船橋店(千葉県)の営業を終了し、50年の歴史に幕を閉じた。最終日の今日は朝10時の開店前に300人が列を作り、店内は終日にぎわった。閉店セール目的だけでなく、顔なじみの販売員と別れの挨拶をしたり、記念撮影したりする姿があちこちで見られた。夜8時の閉店時には、セレモニーは行われないとアナウンスされていたにも関わらず、最後を見届けようと多くの人が殺到。大勢の人がシャッターが下りる瞬間をカメラに収めていた。

最終日の今日は昨年の同日に比べて5倍の約7万人が来店し、売上高も4倍に跳ね上がった。50%オフなどの特価で販売していたマフラーやスカーフなどの婦人雑貨、婦人靴、紳士のシャツやネクタイの売り場は、特に黒山の人だかりになり、レジには長い行列ができていた。

船橋市在住の女性は西武船橋店と同じ年齢で「人生はこの店と共にあった」という。「子供のころから家族で西武に行くのが楽しみだった。社会人になって都内で働くようになっても、有楽町や渋谷の西武がお気に入り。西武にはおしゃれなイメージがある。地元からなくなるのはショック」とさみしそうに話した。鎌ヶ谷市から来た50代の女性も「船橋駅で乗り換えるので、子供のころからよく通っていた」と振り返る。「社会人になって初任給で高いブランドの服を買った。初めて作ったクレジットカードがセゾンカード。大人の仲間入りができてすごくうれしかったのを覚えている。北口の東武(百貨店)が庶民的なのに対し、西武はあか抜けていた」。

入口で看板をバックに記念撮影していた60代の男性は同店のOB。「昭和53(1978)年に西武百貨店(当時)に入社し、初めて配属されたのが船橋店だった。大規模改装したときで、周辺の団地に売り込みをかけたら、驚くほど多くのお客さまが来て下さった。いま振り返れば良い時代だった」と感慨深げに話した。

西武船橋店は、船橋市が東京のベッドタウンとして急速に人口を増やしていた1967年に開業。ピーク時の92年2月期には売上高551億円を誇っていたが、2017年2月期には169億円と7割も落ち込んでいた。近年は営業赤字が続いており、業績不振から構造改革を進めるそごう・西武は閉鎖を決めた。そごう・西武は同じく28日、西武小田原店(神奈川県)も営業を終了した。


ポール ジョーがマデュラとのコラボクッションを発表

ポール ジョーがフランスのインテリアデザインブランド「マデュラ」とパートナーシップを結び、コラボリビングコレクションを発売するというニュースが飛び込んできた。

マデュラは、フランスで誕生し、創業40年を迎える人気インテリアデザインブランド。フレンチクラシックなデザインと、リーズナブルな価格帯でおしゃれなパリジェンヌからも人気を集めている。 そのマデュラのホームウェアラインに、ポール ジョーらしいキュートなひねりあるエッセンスを加えたコラボアイテムが9/12から発売される。

日本で発売されるのはクッション! イギリスの典型であるハンティングの風景からインスピレーションを得たプリントや、羽がデザインされたリバーシブルクッションなど……個性的だけど、どんなテイストの部屋にもマッチするデザインが揃った。部屋の雰囲気をブラッシュアップしてくれること間違いなし。

各クッション ¥6,000(税別)
全国のPAUL & JOEショップ、髙島屋横浜店(期間限定ショップ)、オンラインショップにて9月12日(金)より発売スタート
※一部展開の無い店舗がございます。