2024日本絶対流行るおすすめカラー/アイテム/ブランドをご紹介

2024年に日本で絶対流行るおすすめのカラー、アイテム、ブランドの紹介

メンズショー来場者スナップ ブランド愛がさく裂した“黒の対決”

2019-20年秋冬シーズンのパリ・メンズ・ファッション・ウイークで、現地時間17日に「ヨウジヤマモト(YOHJI YAMAMOTO)」が、同18日に「コム デ ギャルソン・オム プリュス(COMME DES GARCONS HOMME PLUS以下、オム プリュス)」がランウエイショーを行った。日本を代表する両ブランドに共通しているのは、国内外に熱狂的なファンを抱えていること。流行に左右されることなく、一途にブランドを愛し続ける顧客が多く、ショー会場にはそんなファンが多数訪れる。

「ヨウジヤマモト」の来場者は、ボリュームのあるシルエットをそれぞれの体型に合わせてアレンジするスタイリング功者が目立った。個性の強いプリントアイテムを、自らのキャラを熟知して取り入れる着こなしはファンならでは。足元は「バレンシアガ(BALENCIAGA)」の“トリプル S(TRIPLE S)”や“トラック(TRACK)”など、ダッド系シューズと好相性のようだ。

「オム プリュス」の来場者は、ジャケットやチェスターコートのきれいな着こなしが印象的。ただ決してコンサバではなく、スタイリングやアクセサリーで破壊的要素を加えてパンクやクレイジーに仕上げていた。「ナイキ(NIKE)」とコラボレーションしたシューズを着用しているファンも複数見られた。また、「ヨウジヤマモト」の象徴的なコートをまとう来場者もいた。

両者共にキーカラーの黒いコーディネートが多数の“黒の対決”は、「ヨウジヤマモト」の着用者がわずかに上回っていた印象。しかし個性の強さは「オム プリュス」も全く引けをとっておらず、互いに譲らない結果となった。


エルメスが化粧品をスタート アクセル・デュマCEOがロレアルの取締役会を退任

アクセル・デュマ(AxelDumas)=エルメス・インターナショナル(HERMESINTERNATIONAL)最高経営責任者(CEO)がロレアル(L’OREAL)の取締役会を退任した。「エルメス」は化粧品のローンチを予定しており、利害の対立を防ぐためだという。

「エルメス」は化粧品の製造は外部に委託しつつも、プロデュースなどは全て自社内で行う。主にフランスとイタリアで生産する予定だ。先日行われた記者会見でデュマCEOは「とてもエキサイティングなプロジェクトだ。だが化粧品市場には多くの競合もいるため、リスクも大きいビジネスだ。そんな中、われわれは自分たちだけのポジションを確保しなければならない。また製品はまずは『エルメス』の店舗で扱い、その後様子を見てほかの販売チャネルも検討するなど、全て慎重に進める予定だ」と語っていた。

エルメス」はすでに大きなフレグランスビジネスを抱えており、昨年の売り上げは3億1170万ユーロ(約392億円)を記録した。一方でロレアルは「ランコム(LANCOME)」「ジョルジオアルマーニビューティ(GIORGIOARMANIBEAUTY)」「イヴ・サンローラン(YVESSAINTLAURENT)」「ロレアルパリ(L’OREALPARIS)」など数多くのカラーコスメブランドを展開している。2018年においてメイクアップがロレアルの中で2番に大きな事業になり、全体の売り上げの269億ユーロ(約3兆3894億円)のうち27.4%を占めた。なおロレアルの調査によると昨年の世界のビューティ市場のうちメイクアップは2000億ユーロ(約25兆円)以上を売り上げ、ロレアルのメイクアップの売り上げはその約19%を占めたという。


AOKIが女性管理職の服を改革 3Dスキャナー計測で新商品

AOKIは40〜50代のミドルエイジ女性に向けたビジネスウエアの新ライン“AOKIウーマンスタイル”を11月1日に全店とオンラインストアでスタートした。女性の年齢に伴う悩みとして上がっていた体形の変化や着用感の不満を解決すべく企画されたもの。ニットジャケットやカットソー類、セットアップスーツなどをそろえる。価格はニットジャケットが1万5000円、カットソーが6900円、スーツのジャケットが2万3000円、ボトムス、スカートが1万2000円。今後も商品を拡充し、3年後には売上高50億円を目指す。

新ラインは、帝人フロンティアと3Dスキャナーによる人体計測サービスなどを行うビーエム・ディーシステムと協業して製作。ビーエム・ディーシステムが年代別に3D計測したサイズのビッグデータを活用し、40~50代のためのAOKI独自の7~15号までの型紙を開発した。

発売日に合わせて開催された製品発表会で、AOKIの中川勲・商品部レディース責任者は「女性活躍推進法が実施されて以降、働く女性は増加している。AOKIでも女性のお客さまが10年ほど前に比べて10倍以上になり、売り上げの20%を占めている。それに伴い、現状のビジネスウエアに対するリアルな声がミドルエイジ層の方を中心に上がってきており、新たな商品開発に踏み切った」と経緯を説明する。

製品説明後行われたトークセッションには、“AOKIウーマンスタイル”の開発に社外取締役として参加した尾原蓉子ウィメンズ・エンパワメント・イン・ファッション会長と同ラインのアンバサダーである女優で作家の中江有里が登壇した。同ラインのスーツを着て登場した中江は「最初に着たときに全く無理がない商品だと感じた。今までは自分が着たいと思っても商品がなかったり、着てもしっくりこなかったりと、オシャレに消極的になってしまうシーンが多かった」と感想を述べた。開発に関して、尾原会長は「女性がプライドを持って働くためには服が非常に重要な役割を担っている。ただ服を着るのではなく、美しく着ることができるようにこだわって作られた“AOKIウーマンスタイル”が、女性の社会進出にも寄与することを願いたい」と期待する。


複雑時計は”宇宙”が隠れテーマ

スイス・ジュネーブで20日・月曜日から始まった高級時計の展示会SIHH(国際高級時計展)は各国のジャーナリストの姿こそ少なかったが、例年とは違 い最終日である24日金曜日まで会場に人が溢れ、改めてリーマンショックを乗り越えた、世界の高級時計市場の好調ぶりが伺えた。

この状況に応えて、各社の超高額モデルも充実している。独自のメカニズムで機械の美を追求する複雑時計の世界では、今年は”宇宙”が隠れたメインテーマだ。
 
「ヴァン クリーフ&アーペル」は、メカニズムと宝飾の魅力を兼ね備えた”ポエティック コンプリケーション(詩的な複雑時計)”のシリーズで、太陽系の天体とその動きを高貴な材料と伝統の装飾儀容で、そのまま文字盤上に3Dで再現した「ポエ ティック アストロノミー」を発表した。太陽を中心に水星、金星、地球、火星、木星、土星まで文字盤上にはそれぞれ異なる貴石で作られた7つの惑星が配置され、それ ぞれの周期に合わせて回転する。ターコイズ製の地球は1年間で1回転。最も外側にあるスギライト製の土星は何と29年半で1回転。そして時刻は24時間で 文字盤を1周する、土星の外側の彗星の尾の部分で読み取れる。また地球の軌道上にはラッキースターがあり、文字盤最外周のカレンダーを使って自分だけの ラッキーデイを設定・表示する機能も備えている。”腕に着けられるプラネタリウム”といえる、夢のあるモデル。
 
「カルティエ」は月、曜日、日付の表示ディスクをローマの円形劇場のように同心円状に立体的に配置し、驚くほどカレンダー情報が読み取りやすい永久カレ ンダー&トゥールビヨン機構搭載モデル「ロトンド ドゥ カルティエ アストロカレンダー ウォッチ」を発表した。そもそも暦、カレンダーは宇宙の構造の解析と再現しようという試みから誕生したものであり、太陽系や銀河系の構造を彷彿させるこの 表示は永久カレンダー機能の本質を反映した画期的なものといえる。カルティエの卓越した技術力を証明する逸品。
 
ドイツの最高峰ブランド「A.ランゲ&ゾーネ」は、永久カレンダー機構に加えて、北半球から見た地球と月、そして太陽の関係を常時表示する”軌道ムーン フェイズ表示”と呼ばれるまったく新しいムーンフェイズ表示を備えた「リヒャルト・ランゲ・パーペチュアルカレンダー”テラ・ルーナ(地球と月)”」を発 表した。この表示機構はシースルーバックケースの裏側にセットされているので、表からの外観は非常にシンプル。この点も、ドイツのブランドらしい。


ファッション業界のサステナをリードするケリングが推進するEP&Lって何? 開発者に聞く

「グッチ(GUCCI)」「サンローラン(SAINT LAURENT)」「バレンシアガ(BALENCIAGA)」などを擁するケリング(KERING)はサステイナビリティーの追求に積極的だ。同社は2018年の世界経済フォーラム、通称ダボス会議で、サステイナビリティーの観点から世界各国の企業を評価する“Global 100 Most Sustainable Corporations in the World”で、アパレルではトップの47位にランクインした。現在欧米では、地球環境保護に貢献できなければ企業としても存続すべきではないという考えがあるほどで、企業はサステイナビリティーレポートを公開し、自社の活動をアピールする。

同社がリードしている理由は、トップのフランソワ・アンリ・ピノー(Francois-Henri Pinault)会長兼CEOの考え方にある。それは、「ラグジュアリーとサステイナビリティーは同一であり、サステイナビリティーは私たちにとって不可欠であるだけでなく、ビジネスを成功に導くものである。創造性と革新性の源であり、品質と信頼も保証するもの」というものだ。

ケリングの取り組みの中で画期的だったのは、バリューチェーン内で創出する環境負荷を数値化した環境損益計算書(EP&L:Environmental Profit and Loss)の開発だろう。開発に2年を要し、さらに2015年5月にオープンソース化している。

EP&Lは、廃棄物、大気汚染、水使用量、水質汚染、土地利用、炭素排出量の6つの項目と、578の工程、107の素材、126カ国(国によって社会的・環境的背景も異なることを加味)を対象として数値化している。

開発から携わったというマイケル・ボイトラー(Michael Beutler)=ケリング・サステイナビリティー・オペレーションズ・ディレクターは、「EP&Lは人々の考え方とマネジメント法を変えた」と胸を張る。

「EP&Lは限りがある空気や水、人間が暮らすために必要な資源の価値を測定し、当社の企業活動がそれらに与える負荷を理解し、協働することで資源の保全を推進することが狙いだ。私たちはEP&Lを2025年までに15年と比較して40% 削減する目標を立てている」。

17年の負荷の内訳は、原材料と素材の生産に66%、素材のなめしなどの加工に10%、パーツ製作と縫製に13%、ロジスティックスと店舗に10%だ。「当初は、実際に目に見えるもの、つまり最終段階の10%ばかりがフォーカスされていたが、実際には90%がサプライチェーンから生じている負荷である。(EP&Lの開発で)考え方を変えたという点がポイントだ。マネジメント法を変える重要な取り組みだった」と語気を強める。

「ファッションは農業から、ジュエリー&ウオッチは鉱業から始まる。だから、原材料の希少性について最も力を入れて取り組んでいる」と言う。そこには気候変動や生物多様性の変化が大きく影響している。

「生物多様性はいったん失われると元に戻すことができない。例えば、ここ10年間のカシミヤヤギの頭数の変化に注目したい。カシミヤのセーターやマフラーを作るには多くのヤギが必要だ。しかし、ヤギは草地を食べ尽くす。そうして食べ尽くされた大地の土壌は緩くなる。ゴビ砂漠の砂嵐はただでさえ強いが、それがさらに悪化する。悪化した砂嵐は北京まで到達し、それを嫌った北京市はヤギの頭数を制限し、結果としてカシミヤの価格が高騰した。将来にわたり原材料を供給していくためには、資源を守って上手に管理する必要がある」と指摘する。そのためにケリングは、ウール、シルク、カシミヤなどそれぞれの素材ごとに、最善のケーススタディを示し、サプライヤーにその方法をシェアしている。

ケリングがサステイナビリティーの分野で高く評価されているのは、あらゆる視点から分析して産業全体の仕組みや考え方から変えていく点だろう。